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フランツ・シュミット：オラトリオ『７つの封印を有する書』 ブルックナーとブラームスにも師事した後期ロマン派の作曲家、フランツ・シュミットの代表作『７つの封印を有する書』は、大規模なオーケストラと声楽陣に、オルガンまで加わる壮麗きわまりないオラトリオ。 このヨハネ黙示録によるオラトリオは、“封印”を扱ったテーマの面白さもあって、オーケストラにもコーラスにもかなり幅広い表現力が求められており、どこかマーラーやオルフを連想させるような雰囲気が特徴的。 しかし、残念ながら作品の認知度は世界的には低いもので、ドイツ語圏の巨匠以外はあまり取り上げないというのが実情。 とはいえディスクでは、これまでにシュタイン、ツァグロセク、ホフシュトラッサー、ミトロプーロスなどの録音がリリースされており、最近では、鮮烈なアーノンクール盤や、端正なヴェルザー＝メスト盤が話題になったことをご記憶の方も多いことでしょう。 ルイジの演奏は、彼のマーラーと同じく、細部の表情をおろそかにせず、美しい部分と大迫力部分のコントラストが鮮明につけられているのがポイント。この作品の後期ロマン派作品としてのドラマティックな面白さが最大限に引き出された見事な演奏と言えるでしょう。
■フランツ・シュミット：オラトリオ『７つの封印を有する書』 ルイジ指揮ライプツィヒ放送響（ＭＤＲ）、同合唱団 歌唱：アネット・ダッシュ、ナテラ・ニコリ、ヨハネス・クム ヘルベルト・リッパート、ギュンター・グロワスベック ヤン・ヘンドリック・ローテリンク、ミハエル・シェーンハイト 2004年1月ライプツィヒ・ゲヴァントハウスにおけるライヴ録音