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『到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学』
渡邊英理 著
400ページ
2,400円+税
装丁 成原亜美
装画 マーク・ロスコ《無題》
書肆侃侃房
♦︎新品
不揃いなままで「わたし」が「わたしたち」になる──。
1958年に創刊された雑誌『サークル村』に集った石牟礼道子、中村きい子、森崎和江が聞書きなどの手法で切り拓いた新たな地平を、『中上健次論』が話題を呼んだ著者が「思想文学」の視点で読み解く。
「『サークル村』を通して、彼女たちが手に入れたのは、儚い「わたし」(たち)の小さな「声」を顕すための言葉であったにちがいない。この新しい集団の言葉は、異質なものと接触し遭遇することで自らを鍛え、異質な他者とともに葛藤を抱えながらも不透明な現実を生きようとする言葉でなければならなかった。支配や権力、垂直的な位階制や序列的な差別から自由で、不揃いなままで水平的に「わたし」は「わたしたち」になる。 三人の女たちは、そのような「わたし」と「わたしたち」を創造/想像し、「わたし」と「わたしたち」とを表現しうる言葉を発明しようとしたのではなかったか」(渡邊英理)
・石牟礼道子(1927-2018)
【熊本】……熊本県天草生まれ。詩人、作家。生後すぐに水俣へ。著書に『苦海浄土』『椿の海の記』『西南役伝説』ほか。
・中村きい子(1928-1996)
【鹿児島】……鹿児島生まれ。小説家、作家。母をモデルにした小説『女と刀』は大きな話題を呼び、木下恵介監督によりドラマ化もされた。
・森崎和江(1927-2022)
【福岡】……朝鮮大邱生まれ。詩人、作家。17歳で単身九州へ渡り、58年筑豊炭鉱近郊の中間に転居、谷川雁らと『サークル村』創刊。著書に『まっくら』『慶州は母の呼び声』『非所有の所有』など。
【目次】
はじめに
第1章 はじまりとしての『サークル村』
第2章 母の肖像/群像──中村きい子『女と刀』
第3章 連なり越えゆく世界を感受する──石牟礼道子『椿の海の記』
第4章 不透明な他者と女同志の絆──森崎和江『遙かなる祭』
第5章 交差する言葉、流動する女たち
註
あとがき
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この機会にぜひ
中上健次