昭和の中期から平成にかけて雲州そろばんを支えてきた職人さんの一人です。
石原さんは、生まれも育ちも横田。県立横田農林学校(現・横田高校)を卒業後、1951年に父親の友人のそろばん職人に弟子入りした。「学校を出て、まったく違う仕事をしていたが、父が亡くなり、家を守らないといけなくなった。23歳で、職人としては遅い弟子入りだった」と振り返る。師匠のもとで1年間修業し、お礼の奉公を3カ月間した後、自宅でそろばん製造を始めた。
石原長蔵さんが製作した多彩な雲州そろばん
横田のそろばん業界も時代とともに変わり、量産、機械化などのために工場ができ、そろばん1丁を作るために187もあるという作業工程の分業も進んだ。「徒弟制度はなくなった。わたしが最後ぐらいだと思う」と石原さんは話す。以来、そろばん製造一筋に半世紀余りになる。
当時の購入価格は25000円ほどでした。最盛期には樺玉で10万円もしていたようです。