OTIS SANDSJÖ, PETTER ELDH, DAN NICHOLLS による『Y-Otis Tre』。本作『Y-Otis Tre』は、オーティス・サンショーが長年のパートナーであり友人でもあるベーシスト/プロデューサーのペター・エルド (Petter Eldh)、そして Y-OTIS ライブバンドのキーボーディストであり、ソロアーティストとしても活躍するダン・ニコルズ (Dan Nicholls) との緊密なコラボレーションによって誕生したトリオ作品『Y-Otis Tre』。
即興的なスタジオ・ジャムを起点に、リフは捻られ、捨てられ、再構築されながら絶えず変化し続けます。ミックステープ的な流動性と反復の中で音楽は増殖し、鮮烈で人工的にすら感じられる色彩を放ちますが、その本質はあくまでアコースティック。
3人による共作、そしてペター・エルドとオーティス・サンショーのプロデュースによる本作は、その名にふさわしい内容 (「TRE」はスウェーデン語で「3」を意味する)。Y-OTIS や Koma Saxo としての一連のリリースで高く評価されてきた、エルド&サンショーの黄金タッグが得意とする「レイヤー状に重なり合うリキッド・ジャズ」の系譜を力強く継承しています。
本作のキーワードは「進化」です。これまでの作品のスタイルを踏襲しつつも、『Y-Otis Tre』は新たな次元を切り拓いています。サンショーとエルドによる膨大な時間のトリップ感あふれるスタジオ・ジャムから生まれた本作は、ナチュラルでありながらネオンのような色彩を放つ3D的な質感と、時に鋭く時には粘り気のある流動性を持ち、豊かなアイデアが全編に溢れています。
黄金のフレーズが提示されたかと思えば、捻り加えられ、一度捨て去られ、再びリサイクルされて常に進化を続けます。
自らのアイデアを再利用し、相互に参照しながらも、決して同じことを繰り返しません。ミックステープのような DNA を持ち、ビートごとに増殖し、繁殖していくような音楽です。
色彩に例えるなら、本作は CMYK (印刷) よりも RGB (発光) 的。現実離れした明るさに満ち、鮮烈で人工的にすら感じられる音色に溢れています。しかし、耳を澄ませば、その本質は極めてアコースティックであることに気づくでしょう。